허쉬뉴스
・ 糸リフトと最近の患者様の動向
お顔の面若返りの為に切開リフトやMACSリフト術を行う方々は、主に40~50代の方に多い傾向が有ります。
反対に切開部位をより小さく行う手術を行ったり、糸リフトのような非切開方式は、比較的若い年齢層の方々が好む傾向があります。
糸リフトは状況に応じて様々な糸を、「たれた皮膚」「ボリュームが必要な部位」等に注入し組織を持ち上げ、シワのボリューム改善を行う施術です。
単純にお顔の面若返りの為の活用だけではなく、切開リフトや顔の骨切手後の余った皮膚による弛みを改善する目的で、並行活用される事も有ります。
・施術と手術の傾向
比較的年齢層が若い人は、弛んだ部位の原因が脂肪量が多かったり、エラ部位の咀嚼筋の発達により、顔のラインがハッキリしない場合が多いです。
このような場合、MACSリフト術と同様に並行した施術を行うことが多いです。
例えば、顎・頬の部位に脂肪が多く、脂肪のせいで垂れている場合、顔の脂肪吸入と糸リフトを同時に行い、糸の突起部分へかかる負担をある程度減らしながら組織を上方向に持ち上げる事で、お顔の若返り効果を高めることが可能です。
エラ部位の咀嚼筋が発達した場合には、糸リフトと並行して「ボトックス」を注射する事で、厚みのあるエラのボリュームを減らし、咀嚼筋に対する相乗効果が期待出来ます。
・糸リフトの歴史
糸を利用したリフティングは、1990年代に棘のある糸が開発され、皮下脂肪層やスマース層(SMAS)などの皮膚組織を持ち上げる方法で、リフティング技術が開発されました。
現在でもこの皮膚組織を持ち上げる施術法は利用されています。
その後、様々な形の糸(突起の形や方向、材質)が開発され、使用されています。
最近は糸を利用して組織を引っ張ると共に、シワにボリュームを与える糸も登場しています。
・施術の決定に関して
糸リフトを考えていらっしゃる患者様の傾向として、手軽で回復が早い手術を望まれている場合が多いです。
また近年では、簡単に情報を探す事の出来る整形アプリを通し、様々な病院や手術費用の割引広告が確認可能となり、手術の選択肢に対し幅が広がりました。
そのため、「どの種類の糸」を「一本当たりいくら」この様な形式で、糸リフト施術の価格を比較する広告が増え当院でも価格に対する問い合わせが多く頂いております。
これは価格面で安い選択が可能になったという長所とも言えますが、上記で言及した総合的な診断による根本的な解決策を提案するのが難しいです。
並行した手術が必要な場合でも、価格によって優先順位が下げられ、手術結果に対する不満が生じ、客観的な判断が今後難しくなる可能性も有ります。
手術費用が手術の選択基準で有る事は当たり前では有りますが、希望する水準の満足度を得る為には、患者様と医師の十分なカウンセリングにより施術を決められる事が望ましいと考えます。
・糸リフトに使われる糸の種類
糸リフティングに使われる糸の種類は大きく分類すると、
✓ 溶ける糸
✓ 溶けない糸
の2種類に分かれます。 それぞれ長所と短所は存在します。
溶ける糸を選択すると、相対的にリフティング効果の持続期間が短いという短所が有ります。
当院でも、溶ける糸リフトをされる方々から、効果の面と持続期間についての問い合わせが多く頂いております。
糸が溶ける期間は個人差があり、患者様が思った期間より持続期間が短い事も充分に考えられます。その為この様な現象を補うために、糸の数を増やしたり糸の固定位置を分散して持続期間を増やす努力も行っております。
また高い強度が有ったり、モールディングされた糸や双方向に突起のついた糸を利用して伸ばしたり、シワの部分を集める方法でも施術は可能ですが、痛みや異物感などの後遺症を誘発する可能性も御座います。
当院では糸の限界性を補う為に、老化の状態や症状別に様々な長さの糸を混ぜ、
✓ レーザー
✓ 顔脂肪吸入術
✓ ボトックス
✓ フィラー
✓ 脂肪移植
などの施術を並行して行う事も御座います。
お顔の部分的なアプローチよりは、立体的なアプローチを通じて効率性を高め、様々な患者様のタイプに対応出来る様にする事が大切です。